2022.01.18
家の中の室温に対して不満を持つ人は実はとても多いのです。「冬の朝は布団から出るのが寒くてつらい」「暖房のきいているリビングは暖かいけど、廊下が寒くて。。。」「夏の夜はエアコンを付けて寝ると寒いし、消すと暑い。ぐっすり眠れない」など、これは冬は寒くて夏は暑い家に住んでいるからこその悩みです。このような冬は寒くて夏は暑い家は、快適に過ごせないだけでなく、私たちの健康をおびやかすことがあると様々な調査、研究によって明らかになってきています。家族が健康に過ごせる家づくりをするためには、どんなことに注意すれば良いのかまとめてみました。
布団の中は28~33℃くらいあると言われています。仮に夜中の寝室が10℃くらいまで下がっていたとすると、布団を出たとたん20℃以上の温度差を感じてしまうことになります。さらに、廊下やトイレは寝室よりもさらに温度が低くなります。この急激な温度差がヒートショックを引き起こします。血圧が上昇・下降し心臓や脳に大きな負担がかかり心筋梗塞や脳卒中などの原因となるのです。
熱中症というと、屋外でのスポーツ時に起こると思っている方が多いかもしれませんが、実は室内での発生が全体の4割を占めています。特に65歳以上の高齢者は、60%以上が家庭内で発生しているという報告もあります。冬の寒さだけではなく夏の高温も健康をおびやかす原因となるのです。また、ヒートショックといえば冬に発生するものというイメージがありますが、真夏に冷房の効いた涼しい部屋から暑い屋外に出た時の急激な温度差も体に影響を与える原因となります。
冬季の死亡増加率(都道府県別)は比較的温暖な栃木県が最も高く25%、次いで隣県の茨城県。寒冷な北海道が10%と最も低いという結果になっています。栃木県は昼夜の寒暖差が大きく朝夕の冷え込みが激しいこと、さらに高断熱住宅の普及率も低いことが原因と分析されています。。寒冷な北海道などは高断熱住宅が一般的で、冬の室温が高くヒートショックも起こりにくい、一方で温暖な地域は高断熱住宅の普及が遅れ、室温が低いために死亡増加率が高いと見られています。
高断熱住宅とは、外気温の影響を受けにくく、暖房している部屋と暖房のない廊下やトイレ、浴室などとの温度差が小さい家のことです。家のどこにいても温度差がなく、快適に過ごせるのです。
高断熱住宅は、ただ断熱材を厚くすれば良いわけではありません。隙間なく断熱材を入れることで気密を良くすることも重要です。
気密も良くして断熱と気密性能の両方を良くすることで高性能住宅になるわけですが、この気密を良くする方法とそれによるメリットはこちらのコラム→<体を元気にする高気密!そのワケ教えます>で説明していますのでぜひご覧ください!