2024.02.27
地震による建物の倒壊リスクを知るための基準として「耐震等級」という指標があります。一般的に、地震に対する強さを重視される方は多いのですが、耐震値等級の詳細までは、あまり知られていないのが現状です。地震が多い国、日本だからこそ知っていてほしい「耐震等級」を簡単にご紹介していきますので、新築を検討している方は、ぜひご覧ください。
新耐震基準が施行されたのは、1981年(昭和56年)です。旧耐震基準では、数十年に一度発生するような震度5程度の地震には耐えられるものの、それ以上の大地震では倒壊する可能性がありました。
一方、新耐震基準では、震度5程度の中地震では軽微なひび割れ程度にとどまり損壊せず、数百年に一度の震度6強程度の大地震であっても倒壊・崩落して人が押しつぶされることなく、命を守れるだけの耐震性が備えられることが、基準となりました。ところが、新耐震基準では、耐震性は強化されたものの法的な拘束力がない部分も多くありました。
ここで見ていただきたいのが、下記の年表です。
上の表でわかるように、ここ30年の間で震度7以上の地震が6回も起きているのです。震度6以上(震度7以上を除く)となると、約30回も起きています。
要するに「数百年に一度の震度6強程度」という定義が、ここ最近では通じなくなってきているのです。
1995年の阪神・淡路大震災を受け、建築基準法は2000年にさらに大きな改正がおこなわれました。それが「新耐震基準(2000年基準)」です。法的拘束力を持たせ、①地盤に応じた基礎の設計、②接合部に金具取り付け、③偏りのない耐力壁の配置の3点が大きな変更点で、旧耐震基準をより強化し、バランスの良い家づくりを義務化しています。
耐震等級には3段階あり、数字が大きいほど耐震に優れています。
3日の間に震度7の地震が2回観測された2016年の熊本地震では、建築物に甚大な被害が発生しましたが、耐震等級3住宅の倒壊数は0棟でした。倒壊や大破も0棟で、軽微な小破が2棟のみでした。このことから、現行の新耐震基準の中でも、耐震等級3の耐震性の安全性が証明されたといえるでしょう。
熊本地震以降、耐震等級3の重要性が確実に広まってきているようですが、耐震等級3相当という曖昧な言葉も出回っています。「相当」が付く場合は、正式な耐震等級3ではなく、専門機関による評価や証明書はないので、注意が必要です。
耐震等級3を取得しようとすれば、申請費用や検査費用などプラスで費用は掛かりますが、安心感は向上します。また、耐震等級を上げることにより地震保険の割引が受けられるというメリットもあります。地震保険は、火災保険とセットで加入するもので、住宅ローンを利用して家づくりをする場合には火災保険加入は必須で、地震保険は任意となっている場合もありますが、日本は地震の多い国ですので、いつ自分の住む地域がり災するか分かりません。もしものときのために地震保険への加入をおすすめします。
耐震等級について、簡単にまとめてみました。皆様の家づくりの参考になれば幸いです。
全棟性能評価書を取得し、耐震等級3の家づくりをしている栃木県小山市の工務店です。モデルハウスご見学予約はこちらから→リアルサイズモデルハウス『空門の家』