2024.04.09
2024年4月からスタートする新しい「建築物の省エネ性能表示制度」。省エネという言葉は、よく耳にしますし「表示制度」という位だから、省エネを表示するのかな?と何となくは予想がつきますが、何となくではなく、はっきりわかった方が、これから家づくりする人、購入する人にとってメリットがありますので、ここで、さくっと説明してまいります。
Co2排出量全体の約1/3を占める住宅・建築物。2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、国はエネルギー消費・Co2排出の更なる削減を強く求めています。そのための第一歩として、2024年4月から「建築物の省エネ性能表示制度」がスタートします。
これは、住宅・建築物などの販売や賃貸に従事する人に求められる制度です。
なぜ、この「表示制度」が必要なのかというと、誰もが「省エネ性能で建物(住宅)を選べる」を実現するためです。2024年4月から、この省エネ性能ラベルの表示は、わたしたち建物を販売する・賃貸する人たちの努力義務となります。ここで注意いただきたいのが、あくまで販売・賃貸事業者に努力義務が課せられているだけで、不動産の仲介業者や入居者募集の広告委託先などは努力義務対象者ではないということです。
表示制度の対象は、2024年4月以降に建築確認申請を行う物件のみですが、それ以前に省エネ性能を評価されている場合は、表示することが望ましいとされているので、もしも2024年3月以前に建築確認申請を行った物件を購入・賃貸する場合は、一度販売・賃貸業者に確認してみると良いでしょう。
ラベルにはエネルギー消費性能と断熱性能が★マークや数字で表示されます。評価方法は、自己評価と第三者評価があり、第三者評価機関に評価を依頼するのが「第三者評価」場合は、省エネルギー性能に特化した評価・表示制度である「BELS(ベルス)」を使うとされています。
①エネルギー消費性能→星の数
国が定める省エネ基準よりどの程度消費エネルギーを削減できているのかを、星の数で示しています。省エネ基準に適合していれば☆1つ。それより10%削減するごとに、☆が1つずつ増える計算です。☆4つ以上は太陽光発電設備がある場合に付けられます。
②断熱性能→数字
「建物から熱が逃げにくさ」と「日射しなどの外からの熱が入りにくさ」の2点から建物の断熱性能をみる指標です。数字が大きくなるほど断熱性能が良いとされ、国が定める省エネ基準に適合していれば「4」、ZEH(ゼッチ)水準に達していれば「5」となります。
③目安光熱費→金額
住宅の省エネ性能に基づき算出された電気やガスなどの年間消費量に、全国統一の燃料などの単価を掛け合わせて算出した金額を表示しています。(こちらの表示は必須ではなく任意項目です)
④ZEH水準→チェックマーク
2030年以降の新築住宅が目指す省エネ性能の水準(予定)であり、エネルギー消費性能が☆3つ、かつ断熱性能が5以上の場合に達成となり、チェックマークがつきます。
⑤ネット・ゼロ・エネルギー→チェックマーク
ZEH水準を達成したうえで、太陽光発電の売電分も含めて、年間のエネルギー収支が一定の基準以下となる場合に達成となり、チェックマークがつきます。(第三者評価の場合のみ表示)
⑥第三者機関BELS(ベルス)
第三者機関が、その住宅のエネルギー消費性能や断熱性能を評価・表示する制度で、第三者機関の審査を受けた後に評価書が付されます。
赤枠で囲った<再エネ設備あり>は太陽光発電などの再生エネルギー設備が設置されている場合のみ、表示されます。
いかがでしたでしたか?国は2050年のカーボンニュートラルに向けて、段階的に省エネ性能の基準を引き上げる予定です。基準が変わったり新しい制度ができたりと、専門知識のない消費者がそれらを理解することはとても難しいので、家づくりする人、購入する人が☆の数や目安光熱費などで分かりやすい「建築物の省エネ性能表示制度」は、消費者にはメリットになるでしょう。まだ、努力義務の段階ではありますが、しっかりラベルを提示してくれる会社は、省エネ性能の取り組んでいると受け取っても良いのではないでしょうか。
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