2025.10.14
最近では、家を建てる際に「高性能な家」という情報を目にすることも増えてきたと思います。「住宅を高気密・高断熱化することで、一年中快適な室温を保ちながら、電気・ガス等の家庭で使うエネルギーを削減してCO2を減らし、地球環境に優しい住宅を普及。」することを国の方針としてもあげています。
そのため、これから家づくりを進めるのに「高気密・高断熱化」は、必須となってきています。
今回は、「高気密・高断熱化」の高気密に着目し、なぜ気密が大切なのか、また気密の目安はどの程度なのかをお話します。住宅性能にこだわりたいとお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
C値とは『建物全体の外皮にある隙間の総面積』を表している数値です。の気密性能を示す重要な指標です。このC値が小さいほど気密性が高い(高気密な)家となります。
C値が小さい(高気密)だと建物に隙間が少ないので、空気が流れず「息苦しく感じるのでは」と思う方もいるようですが、高気密な家だからといって息苦しく感じることはありません。
なぜかというと、法律で設置が義務付けられている24時間換気システムで家の中と外の空気を強制的に入れ替えているからです。つまり、高気密による息苦しさは起こりません。
高気密とは隙間風を建物内に入れないようにするための施工なので、24時間換気システムを効果的に作用させる上でとても大切になります。
家の隙間面積が大きくなればなるほど隙間から建物内に風が入るため、換気するための給気口からの給気量の割合が少なくなってしまいます。
上の図を見てもらうと分かりますが、C値5.0c㎡/㎡の場合ですと給気口からの換気はほんの15%ととなり、ほとんどが隙間からの換気となるため、計画的な換気ができておらず、さらには室内での冷暖房も隙間から逃げてしまうことになります。

第一住宅の最高C値は、0.09㎠/㎡!
例えば床面積が110㎡としたとき、110㎡×0.09c㎡/㎡≒9.9c㎡となり、家全体の隙間が9.9c㎡しかないということになります。85円切手が2.55㎝×2.15cm=5.4c㎡なので、切手2枚より少し小さいくらいの隙間しかないとイメージしてもらえると、分かりやすいと思います。
それくらい高気密だと、給気口からしっかりと換気が出来ていることになります。

気密の悪い家では、室内と室外の温度差が大きければ大きいほど、自然換気(漏気)の回数が増えると言われています。
例えば、夏場で外気が30℃で室内が20℃の場合、気密の良い家と低い家で比べると低い家の方が0.14回/hも多く行われます。
冬場では外気が0℃で室内が30℃ですと、0.40回/hも低い家の方が多く自然換気(漏気)が増えてしまいます。これが、気密の低い家の冷暖房の効きが悪い理由となります。

隙間から漏気(自然換気)できるなら、換気できているのでは?と考える方もいますが、隙間からの自然換気にはデメリットがあります。
24時間給気システムに設置されているフィルターは、虫・ゴミなどを大幅カットし、10μm以上の粒子である黄砂や火山灰、工場や自動車などから排出されるすす、そして大気中のガス状物質(NOx,SOx,VOCなど)なども除去して室内へ給気します。 PM2.5などのもっと細かい物質をキャッチできる高性能のフィルターもあります。
そのため、24時間換気システムを通過した空気は新鮮なきれいなものだけを取りこみます。
一方、隙間から入った空気はフィルターを通らないため、床のスキマから床下にたまったホコリごと入ってきたり、花粉の時期であれば花粉も一緒に室内へ入ってきます。
このような隙間風に含まれるよごれが原因でシックハウス症候群やアレルギーを発症してしまう人もいます。
自然換気は自然の力を使って行うもので、中には温度差によりうまれるものもあります。建物の内外に温度差があるとより分かりやすいのですが、夏場に冷えた室内の窓を開けると、熱い空気が室内に流れ込んでくるという経験をしたことがあるのではないでしょうか。

また、暖かい空気は上へ、冷たい空気は下へ動く性質もあり、夏場の暑い日に外気温が暖かく、室内が冷たい場合、室内の下部から冷たい空気が外に漏気し、上部からは暖かい空気が入っきます。

冬場の寒い日では、外気温が冷たく、室内が暖かい場合、室内の下部から冷たい空気が室内に入り、上部からは暖かい空気が漏気します。
また隙間から空気が入り、室内を通過して対面から排気されれば良いのですが、気密のない室内では近くの隙間から排気される場合もあり、室内の汚れた空気が外へ排気されないなど、ちゃんとした換気が行われなくなります。
隙間が多いと壁内結露が発生しやすくなります。住宅内の空気中の湿気も、外気の湿気もほとんどが隙間を介して給気・排気されるため、その過程で壁内に空気が侵入し結露が発生してしまいます。また、それにより断熱材や柱も劣化していきます。
気密は、気密測定をして数値を出します。住宅全体の隙間の大きさを専用の測定器を使って測定し、どれくらいの空気が漏れているかを数値化する検査です。この測定によって得られる数値は「C値」と呼ばれ、C値が小さいほど気密性能が高いことを示します。C値=1.0㎠/㎡以下くらいであれば気密性が良い住宅とされています。
上記の写真は「中間気密測定」といい、クロスやボードが張られる前、断熱気密処理が完成した時点で測定する方法です。この時点で気密数値が良くない場合は、隙間を特定し気密処理を再度行うことが出来るので、気密を良くすることが可能です。
ただし、気密工事は経験値と職人の腕が大変重要になります。「気密工事できますよ!」と言っても、知識のない現場監督が経験のない職人に気密工事を教育しても、決して気密は向上しません。高気密な住宅にするためには、気密工事の経験が多くある会社を選ぶことをおすすめします。
いかがでしたか?気密C値は必要か不要か?気密が高ければ住宅性能は確実に向上します。気密工事を行い高気密な住宅に住むことをおすすめします。

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