2020.09.02
注文住宅を建てたいと思う方のほとんどが自分たちの理想をしっかりカタチにしたい、間取りはもちろん、外壁の色やデザイン、扉のデザインや壁紙などたくさんのこと決めて、そして満足のいく自分たちだけのマイホームをつくりあげたいと願っています。
それだけこだわるならば、少なからず周りからも「素敵だね」と評価をもらえると嬉しいもの。ところが、せっかく注文住宅で建てたのに、建売住宅に見えたり何となく安っぽく見えてしまい、「こんなはずじゃなかった!」なんてことも失敗談としてよく聞きます。でも予算もあるし、そこまで外観にお金を掛けられない。。。なんて方に、予算内に抑えながらも「かっこよく見える」大切なポイントをご紹介します。
道路に面した人目につく側の外観をかっこよくする、これは建売でも注文住宅でも同じです。ところが、隣地側だったり人目にあまりつかない側もある程度外観を気にする、これが実は重要です。ご紹介する例は一般的な北側の立面図です。北側というと、隣地側が多いと思われがちですが、近所を見渡してみると、建物の北側が道路でなく隣地ではあるけれど例えばアパートの駐車場だから丸見えとか、田んぼや畑で、周りから丸見えなんてことも多く見受けられますので、北側だから外観を気にしなくても大丈夫!ということはありません。この立面図を見てもらうと、何となくかっこ悪いな?と思う点が2つあります。1つ目が窓の取付高さがバラバラなこと。それぞれの窓の大きさが違うので、住む方がカギや窓の開け閉めを考えて、小さな窓はより低めに取付したいと思うでしょう。特にこの立面図で多用されている引き違いの窓はカギの位置が窓の中心にあることが多いので、小さい窓は低めに付けないと鍵の開け閉めに不便があるのも事実です。
もう1つが1階と2階の間にある窓。特に建売住宅や昔の家は階段を北側に設置する傾向が多く、そして階段を明るくするためにこのような位置に窓を取り付けている建物をよく目にします。ですが、この場所にあると全体のバランスが一気に崩れて見えてしまいます。
そこで、2つの気になる点を修正した立面図を見てください。全然、違う印象を持ちませんか?1階と2階の間にあった窓はなくしてみましたが、実は2階の左から3つ目の窓が階段部分にある窓なので、全く明かりが入らなくなったというわけではありません。
ここまでで分かるのは、外観デザインをかっこよくするには、窓の配置や大きさが関係するということ。だから、実は間取りを考える最初のタイミングで窓の計画も一緒に行う必要があるのです。しかし、多くの人が間取りが決まってから始める設備やカラーを決めるインテリアコーディネートの段階で外観を考え始めるのです。それでは遅すぎます。間取りを考えながら同時進行で外観を考えていくことが大切です。
また、かっこいい外観にするには窓の配置やデザインの他に、外壁の種類やカラー、屋根の形や素材、そしてアクセントに用いる格子など、プラスで予算を考えないといけない場合もあります。4方向全てをかっこよくしようとすると、予算も厳しくなったり、間取りにも支障がでてくるかもしれません。なので、家の顔になるだろう道路から見える(もしくは人目に付く)2方向を中心に考えましょう。
外観のカラーを決める時に一番気を付けてほしいことが、使う色の種類です。これは外壁だけではなく、窓枠の色や屋根、軒裏の色など見えるところ全てを含めて2~3色にすると、まとまりがありかっこよくなります。
例えば、こちらの外観は外壁をホワイトとブラック、窓枠はホワイト、屋根をブラックにして玄関扉と軒裏を木目の茶色にしており、使った色は3色。全体的に外壁はガルバリウムを使用しているため、スタイリッシュなイメージがありながらも、玄関まわりにナチュラルさを演出しています。
こちらの外観は外壁を白と木目の茶色にし、窓枠は茶色、雨樋などは白、屋根はシルバーなので3色でまとまっています。ウッドデッキの茶色が外壁などの茶色とは濃さが違いますが、同系色なので色のばらつき感は感じません。また外壁の色分けを平面ではなく凹凸部で行っていたり、白は塗り壁で茶色の部分は無垢の木を張っているので、素材の違いもあり存在感があります。
いかかでしたか?予算をグンと上げなくてもほんの少し簡単なルールを守るだけで「かっこいい家」が出来るのです。「窓の大きさと配置」「外観を考え始めるタイミング」「外観に使う色」、この3つをしっかり守り素敵なマイホームを計画してください!