2020.12.22
せっかく注文住宅で自由に自分たちの家づくりをするのだから、子供の頃から憧れていたロフトをつくって、子供たちの遊び場にしたり、自分だけのプライベートな空間を確保したい!と、思っている方もいらっしゃいます。ですが実はロフトには厄介なことも多いのです。ロフトを設置する上でのメリットとデメリットをまとめてみましたので参考にしてみてください。
ロフトとは一般的に、屋根裏にある部屋のことをいいます。
・天井高が1.4m以下
・はしごが固定されていない
・直下の階の8分の1の面積 という条件があります。
その中でも一番気にしなくてはいけないのが、高さの問題です。建築基準法では高さ1.4m以下のロフトは階数に計算しなくて良いことになっていますので、ロフトでとれる天井の高さは最高で1.4mまでになります。ロフトの高さが1.4m以上になると1つの階として数えられてしまい税金などの面でも不利になるため、1.4m以下のロフトにしているのです。
一番に思い浮かぶには賃貸アパートなどでよく見かけるクロゼット上部にロフトがあり、寝室として使ったり収納として利用する使い方ですね。梯子が取り外せるのでロフトに行かないときは壁際に引っ掛けておけるので、梯子のせいで部屋が狭くなるという事はありませんが、寝室として使うのならば、ずっと梯子を掛けておくことになるかもしれませんね。
ロフトのデメリットとしてまず最初に浮かぶのがこの梯子問題。ロフトを寝室に使う場合、朝起きて寝ぼけて梯子を降りてしまったため、落ちてケガをした。。。大きくて重い荷物をロフトに上げてしまい、降ろすのにひと苦労。。。など、よく聞く話です。また、このような梯子を上の写真のような収納するタイプにしてしまうと、ほとんど梯子を降ろすことがなくなり、開かずの間になっているなんて話も聞きます。このような収納タイプの梯子を付ける方は主に季節もの(ひな人形や扇風機、暖房器具など)を片付けるために作る方が多いので、その時以外は見向きもされない悲しい存在になってしまいます。しかも、この角度で一人でひな人形など大物を上げたり降ろしたりは非常に危険で大変です。
ロフトをリビングやダイニングなど家族のあつまる場所に作るだけで、一気に使用頻度もあがり使い方も無限大になります。ですが、リビングなど人目に付きやすいところに、あの取り外せる梯子や収納タイプの梯子があるのはちょっと。。。と思う方も多いでしょう。その際に考えてほしいのが、固定階段です。あれ?ロフトの条件に“はしごが固定されていない”とあったはずと思うかもしれませんが、最近は自治体によっては固定階段でも、その他の条件が満たされていれば、床面積に計算しない“ロフト”と見なしてくれる場合もありますので、お住いの自治体に確認してみると良いでしょう。こちらの例は勾配天井でロフトの方に向かって天井が高くなっているので、ロフトの下は他の空間と同じ天井高さを確保しつつ、ロフトの天井高さは1.4m以内という設計です。この固定階段は2階に昇降する通常のものよりは急になっていますが、梯子タイプよりは格段に昇降しやすく、荷物なども運びやすくなります。また、ロフトがあることで空間に広がりがうまれ視線も抜けるので、より広く感じられます。こちらの例はロフトほど高い場所になく、ロフトの下は収納になっている設計です。高い位置のロフトではないものの、通常の1階にいる人とは目線がずれるので同じ空間に居ながらも、適度な距離感ができるので個室のようにも感じられます。
ロフトのメリットは何といっても+αの空間ができるところ。収納というよりも遊び心のある小部屋が出来ると考えて、あえて人目につく場所に設計すると、想像以上により良い空間として使えるのではないでしょうか。
ここまでロフトのメリット、デメリットをお話してきました、忘れてはいけないことをもう少しお話しします。それが冷暖房のことと、掃除のこと。
ロフトを収納として考える場合は別ですが、部屋として考えるのであれば冷暖房の効きをよくすることを考えましょう。ロフトに専用の冷暖房機器を付ける方は少ないと思いますので、上手に冷暖房の効果をロフトに届けるために、サーキュレーターや扇風機は必須です。また、掃除の問題。梯子タイプのロフトですと大きな掃除機を運んで掃除するなんて、考えただけで溜息ですね。かといって掃除をしないのも。。。そこでオススメなのはハンディタイプの掃除機を準備しておく。これで持ち運びは問題なくなります。
もしも、収納としてロフトを考えていたとしても、最低1つはコンセントを付けておくことをおすすめします。後々、収納としてではなく個室としてなど別の用途で使いたくなった時でも何かと便利ですよ!