2021.08.31
「省エネな家」とは、夏の暑さや、冬の寒さの影響を受けにくく、少ないエネルギーで家の中を快適な温度に保てる高断熱・高気密な家であり、「省エネ住宅」と言われています。「省エネな家」は光熱費を抑制するので家計に優しく、それだけではなく、病気のリスクも軽減できるなど安心な暮らしも可能になります。そんな「省エネな家」について簡単にまとめてみました。
省エネな家とは、断熱、気密、遮熱、換気が優れている住宅のことです。まず、省エネな家にした場合のメリットをまとめました。
冬も夏も天井と床、部屋と部屋の温度差がなく、家中の温熱環境が一定であるということがメリットです。ですが、冷暖房機器などでしっかり温めたり冷やしたりした部屋は必ずしも快適な環境ではありません。なぜかというと温風や冷風で得られるものよりも、人は熱伝導による方が心地よいと感じるからです。例えば、エアコンの暖かさと陽陽だまりの暖かさのどちらが好きかと尋ねると、後者を選ばれる方が多いでしょう。人は熱伝導から得られるものがより心地よく、また床の暖かさなどから対流と放射により室内の空気が暖かくなる方が、熱風にあたるよりも快適に感じるのです。
ただ、せっかく床暖房で温めた空気も断熱性能の低い家だと外気温が室内に入り込み、室温は下がってしまいます。そのため、快適な室内温度を保つには、断熱を性能を高くすることが欠かせません。
省エネな家は、少ないエネルギーで冬は暖かく、夏は涼しくすることが出来ます。すなわち電気代を抑えながら、快適な室内環境を整えてくれることになります。
さらに、省エネ性能の高い照明や家電、給湯器などを採用することで家全体のエネルギー使用量も削減できます。
部屋と部屋の温度差は、血圧の急激な上昇・下降で心臓や脳に大きな負担をかけます。それがヒートショックです。この表は全国の年間死亡者数のグラフです。冬季死亡増加率1位の栃木県は、比較的温暖な気候の地域ですが、昼夜の寒暖差が大きく朝夕の冷え込みが激しく、高断熱住宅の普及率も低いことが原因と分析されています。
高断熱住宅が普及すれば、室温差が減り、ヒートショックのリスクは軽減されます。また、住宅全体の断熱性能が高くなれば、結露やカビが発生しにくいため、アレルギーや感染症の原因になりうるカビ・ダニの発生も抑制することが期待できます。
省エネな家には、太陽光発電も必須です。国が認めている省エネ住宅の代表的な指標には「HEAT20」や「ZEH」がありますが、中でも「ZEH」はネット・ゼロ・エネルギー・ハウスの略で、生活する上で発電するエネルギー(太陽光発電など)量が消費するエネルギーよりも多くないといけないと定めています。
→ZEHについて詳しくは:ゼッチ(ZEH)とは?もうすぐ当たり前になるZEH住宅のお話で詳しく説明しています
太陽光発電システムや家庭用の蓄電池などを備えておけば、停電時に独自で発電した電気を使用できるので、もしもの時に頼りになります。
では、そんなメリットいっぱいの省エネな家をつくるには何をどうしたら良いのでしょうか?簡単にまとめると
2021.4より、建物の省エネ性能について建築士から建築主(お施主様)への説明が義務化されました。対象は300㎡未満の建築物で、主に新築住宅に対して省エネ基準に適合しているかどうかの説明を行う義務です。
この制度の狙いは建築主(お施主様)に省エネに対する意識の向上と自ら省エネ性能を高めようという意欲をもってもらうためです。建築主(お施主様)の多くが省エネ住宅を建てることで、エネルギー消費量を削減することができ、それは環境保全につながるのです。
自然エネルギーとは、太陽光や熱、風力や地熱など自然現象から得られるエネルギーのことです。昔よく言われた風通しの良い家も風力をうまく利用した家ということになります。最近ではパッシブ設計と言われ、自然エネルギーの活用、自然エネルギーの調整が考え方と手法です。石油や石炭などのいわゆる化石燃料に頼らず、可能な限り自然エネルギーを活用する設計手法に尽力する建築士は、結果的に環境保全いも取り組んでいるということになるのです。
いかがでしたか?省エネな家は自分たちのお財布に優しく、健康にも期待ができ、さらに環境保全にもつながる、素晴らしい家なのです。「夏涼しくて、冬は暖かい、快適な家」をご希望の方は、省エネな家に注視している住宅会社を探してみても良いかもしれませんね。
→自然エネルギーについてはこちらから→エアコンに頼らない、本当に快適なパッシブ設計の家