2021.12.21
近年の感染症対策として、寒い中でも窓を開けて換気をしようという取り組みが日常化されていますが、感染症対策よりも以前から、24時間換気が法律で義務付けられていたことをご存じでしたか?そこで今回は、どうして換気は重要なのか?というお話をしていきたいと思います。
換気はそもそも何のために必要なのでしょうか?
建物内には、中にいる人間の呼吸による二酸化炭素、家具などから出るハウスダストや有害物質が蓄積されます。
中でも、家具などから出る有害物質によるのどの痛みや頭痛、鼻水、などの「シックハウス症候群」が問題になった時期もありました。それを受けて、2003年から住居の居室(人が長時間滞在する部屋)には24時間換気の換気設備が法律で義務化されました。
というのも、今現在皆さんが生活している一軒家やマンションなどは、4、50年前と比べて隙間が少なく気密性が高くなっています。気密性が上がった状態だと、汚染された有害な空気が外に出にくいため、その空気が家の中に溜まり続けてしまい、それを建物内に居る人間が吸い続けてしまうのです。
その有害物質の濃度を低くすることで室内の空気をキレイに保つことが、換気の目的です。
「キッチンのレンジフードで換気してます!」という方、多いです。レンジフードの換気扇では基本的にキッチンの換気しかできません。もしも、レンンジフードでの換気をメインで考えたいのであれば、同時に2ヶ所以上の窓も開けましょう。ですが、窓を開ける換気は24時間行うのは正直難しいので、適切な換気が行えているとは言えません。
空気清浄機やエアコンの空気清浄機能も同じです。もちろん、効果がないとは言いませんが、家の中すべての空気を清浄するのは難しいでしょう。
2003年に国によって決められた換気に関するルールは、2時間に1度、家の中の空気をすべて入れ換えることが出来るように設計する必要があり、24時間365日電源はオンにしておく必要があります。最低限必要な換気を24時間換気システムで設計しますので、夜間でも冬でも真夏でも止めずに動かしておきましょう。
換気システムを動かしながら窓を開けての換気もする場合、新鮮な空気が入るように排気口から離れた場所の窓を開けましょう。
わたしたちは毎日の生活で焼く18kgの空気を吸っています。1日に摂取する食べ物や飲み物が約2kgですので、その約10倍近くの量の空気を体内に取り入れていることになります。
また、一生涯のうちに摂取する物質のなんと約8割が空気で、中でも室内の空気が全体の57%を占めています!家にいる時間の全国平均が15.8時間/日という統計がありますので、いかに室内の空気が重要か分かると思います。
呼吸をすると室内の二酸化炭素は増えていきます。人数が多ければどんどん濃度が濃くなりますし、長い時間換気をされないままですと、二酸化炭素濃度が急激に上昇します。この二酸化炭素の濃度を上げないために、2時間に1回室内全体の空気が入れ替わることを、先ほどお話した24時間換気の基準に設定しています。
体に良くない食べ物や飲み物は意識的に避けることは出来ますが、空気は吸わないというわけいにはいきません。換気をしっかり行い、きれいな空気の中で生活してくださいね!