2022.11.22
23年ぶりに省エネ基準が見直しされ断熱等性能等級制度が追加されました。「2050年カーボンニュートラルの実現」、「2030年度温室効果ガス46%排出削減」実現に向けて、国を挙げた住宅高性能化への取り組みが急激に進みつつあります。
今回の法改正で、2025年から断熱等性能基準の等級4をすべての新築住宅に義務付けることになったため、2022年3月時点で最高等級だった等級4は、2025年以降には「最低等級」になります。よって、実質等級3以下の建物は建築不可となります。
2022年度新設の等級5以上では、省エネ地域区分5地域(栃木県)の冷暖房費にかかるエネルギーが30%以上削減される計算になりますので、少ない光熱費で冬暖かく夏涼しい快適な室内環境が実現します。
冬期間の最低の体感温度で表すと以下の表になります。
冬期間、ある程度の室温が保たれるということは、日々のランニングコストがかかりにくく「燃費の良い家」ということになります。また「リビングなどの居室」と「洗面脱衣室や廊下などの非居室」の温度差が少ないことは、家の中の温度差が原因でおこるヒートショックの防止にもつながります。燃費の良い家=ランニングコストがかかりにくい家は、長年住まい続ける上でとても大事なポイントです。
住宅の品質確保の促進等に関する法律が一部改正され、2022年4月1日より「断熱等性能等級5」が施行されました。その後、さらなる上位等級として、断熱等性能等級6、7が新設され、2025年には、現行の断熱等性能の等級4が適合義務化される予定です。
建築基準法の適合義務基準は、性能表示の等級1に相当するため、現行の等級4は等級1に格下げとなり、いわば最低等級となり、また、2030年には適合義務基準のさらなる厳格化が検討されており、等級5の義務化が予定されています。
いかがでしたでしょうか?今まで日本の断熱基準は23年前のものがほぼそのまま維持されており、今までの最高等級の4でさえ、先進国の中では最低レベルと言われています。しかもその基準は守らなければならない「義務」ではなく、言わば努力目標のような位置づけだったため、日本では「冬寒く夏暑い」家がこれまで大量に供給されてきました。ですが、これからは断熱にこだわり「冬暖かく夏涼しい」家に住むことが日本のスタンダードになっていくでしょう。