結婚3年目を迎えたKさんご夫妻。2年ほど前、結婚式を終えて生活も落ち着いたタイミングで「次は家がほしいね」「そろそろかな」と、家づくりを意識するようになりました。
総合展示場をまわり、建て売り住宅もいくつか見学。豪華なモデルハウスや真新しい家を見て「きれい」「おしゃれ」と感じる一方で、「自分たちが暮らす家」というイメージを抱くことはできなかったそうです。
その理由は、リアルさの欠如。
「展示場のモデルハウスは広すぎて、生活のイメージと結びつかない感じ。建て売りの家は今どきのデザインでおしゃれだけど、素材やつくりなどにコストカットの跡が見えてしまい、一生暮らす家として捉えることはできませんでした」
建て売りの選択肢はなくなり、注文住宅に絞って会社選びを続けるなかで、おふたりは第一住宅の犬塚モデルハウス『空門の家』を訪れます。
空門の家に入り、最初に感じたのは木のぬくもり。
「ほっとする雰囲気や、光の採り方もいいなと感じました」
性能や構造についての説明も受けて理解はしたものの、このときはまだ「ここで建てよう」と決めるほどの納得感は得られず、実際に建てた家の見学会へと足を運びました。
見学会への参加を重ね、施主ごとに異なる家族構成や好みを反映して建てられたさまざまなスタイルの家を見るなかで、次第に「自分たちの家」のイメージがわいてきたというおふたり。
「いろんなカタチの家があるね」「平屋っていいかも」「こんな風にもできるんだ」
実際の家の広さや雰囲気を体感することで、ぼんやりとしていたイメージはいつしか「こんな家にしたい」とリアルな像を結ぶようになりました。
また、それぞれの家で気密断熱性能をあらわすC値やQ値などの測定値を聞いたことで、住宅性能にも納得。
「正直、見学しただけでは快適な温熱環境を実感することはできませんでしたが、実際のC値を聞いて、隙間をそんなに小さくできるならきっと気密性に優れているんだろうなと感じました」
おふたりが建築家に伝えた希望は、おおきく3つ。
「平屋にしたい」「フィギュアやコミックを置く趣味の部屋が欲しい」「リビングは広く、ゆったりと過ごせる空間にしたい」
アパート住まいの頃はせっかく集めたコレクションを飾るスペースがなく、もどかしい気持ちを抱えていたというKさん。自分の部屋はいらないけど、リビングでのんびりテレビや動画を見ながらくつろぎたいと話す夫人。
建築家は、ふたりの絶対条件を踏まえたうえで間取りのベースを描き、「水回りの位置関係はどうですか」「方位は気にしますか」と、ひとつひとつ確認しながらプランを詰めていきました。
「こういう空間にしたい」「このあたりに収納がほしい」「窓からの景観で気になるところがあるので目隠ししたい」
建築家との打ち合わせを重ねるうちに部屋の広さや雰囲気などのイメージはより明確になり、隠れていた要望が出てきたり、意識していなかった部分を見つめ直す機会がうまれたり、「この家でこう暮らす」という未来図がくっきりとリアルなものに。
「こうしたい、という希望に対してその場で図面に反映し、目の前で新しいイメージを描いてくれるので、『できあがっていく』感覚が実感できて楽しかったですね」
Kさんの趣味部屋は当初、スキップフロアにする予定でしたが、見学会でスキップフロアのある家を実際に見たことで、ロフトスタイルに変更することに。
「ロフトのほうが階下の空間を広く活用でき、客間をつくりたいという希望も同時に叶えられるから自分たちにとってはロフトが正解だと思って。広さや高さなど図面だけではつかみづかい空間の感覚も、実際の家を見ることでリアルにイメージすることができたので、自信をもって選択できました。見学会の機会がたくさんあったことが良かったですね」
たくさんの打ち合わせを重ね、いよいよ完成した「自分たちの家」。その家へ、初めて入ったとき。
「リビングに入った瞬間、わぁ、広いなって。そうそう、こういう空間にしたかったんだよって、嬉しくなりました」
やわらかなラグを敷き、ゆったりと座れるソファとセンターテーブルを置いたら、心からくつろぐことのできる心地よい居場所が完成。
ロフト下の空間にもソファを置いて普段はヌックのように使い、来客時はロールスクリーンをおろして客間としてつかう予定です。
「アパートに暮らしていた頃は、冬場、朝起きたらまず暖房とコタツをつけて一旦コタツに移動してから行動開始という感じでした。いまはコタツ代わりにブランケット一枚でじゅうぶん。夏場もじめじめした感じがなかったので、どの季節も過ごしやすいと感じています」
夜はテレビの音量を下げたり、階下から響く物音が気になってくつろげなかったり、周囲に気遣いながら生活していた頃とちがい、わが家での暮らしはのびのび自由。
「テレビやゲームも気兼ねなく大音量で楽しめるし、ゆっくり過ごしたいときは窓を閉めればすごく静か。自分たちの空間、という実感があり、フィギュアのコレクションもついつい増えてしまいます」
「玄関ポーチのデザインも、じつはかなり気に入っています。シンプルなカタチにしたいけど何かアクセントを入れたいと相談したら、板張りのデザインを提案してくれて」と、わが家を愛おしそうに見つめるKさん。
見飽きることのないデザイン、ゆったりくつろげるリビング、ロフトの窓からの眺め。
いいな、と思えることや場所がたくさんある住まいに、満ち足りた時間が流れていきます。