2021.03.02
家の間取りを考える際に、ほぼ100%確認されることと言えば【和室】の要不要。両親や祖父母の家には和室のある方が多いと思います。そして、和室を客間として利用する方が多かったのではないかと思います。ですが、最近では昔とは違い、和室を客間として使うだけではなく様々な用途で使用する方が増えてきています。そんな最近の和室事情について、注意点も含めてまとめてみました。
和室をどのような用途で使う予定でいるかで収納の必要性は変わります。
・来客用の寝室で使う:寝室として使うという時点で、布団が必要になるので、奥行きの深い押入れは必要です。逆に客間用に考えていたのに、押入れではなく奥行きの浅いクローゼットにしたり、押入れをつくらなかったりすると、布団の行き場がなくなり、結局客間とは遠い2階の夫婦のクローゼットに仕舞うことになったり、客間として使うことを諦めて、ただの物置きになってしまったりと、意外と失敗の元になりやすいのがこのパターンです。もしも、押入れをつくるスペースがないという場合は、和室の床高さを上げて小上がりのようにすることで畳の下に収納が出来ますので、そこに仕舞うという方法がおすすめです。(リビング横につくった小上がりの畳スペース。引出し収納の他に、自動のボタンで畳が昇降し畳2枚分の収納がでてくる)
・ちょっとした空間として使う:一番多いのがこの使い方で、リビング横につくることが多いでしょう。お子様が産まれた時のおむつ交換やお昼寝用などその時に合わせて使っている場合も、やはり収納があると便利だと思います。お子様のおむつは買い置きが必要であったり、おもちゃなどはかさ張ります。自分がゴロゴロしたい時も枕や肌掛けなど仕舞えると重宝します。突然の来客時にも収納があればリビングのごちゃごちゃを片付けることも出来ます。押入れ程奥行きはなくても良いと思いますが、ある程度の広さがあると良いですね。(階段の向こう側に小上がりにしてつくった畳スペース。兜や雛飾りなど季節ものを飾ったり、お子様のお昼寝スペースとして活用)
・リラックススペースとして使う:この場合は、様々な事例があると思います。読書をしながら庭を眺めたり、ヨガをしたり、書斎にするとういう方もいるかもしれません。あくまでリラックススペースとして考えるのであれば、収納というよりも収納の扉が見えないと良いのではないかと個人的には思います。一気に生活感がでてしまう、収納の扉。そういうものを排除することでリラックススペースとして成り立つのではないでしょうか。(庭を一望できる場所に3畳の畳スペースをつくった事例。こたつをおくことも考えている)
・仏間、応接として使う:この場合もやはり収納は欲しいところです。仏間として使う場合はお線香など仏壇まわりのものを仕舞う必要があります。また昔ながらの和室をつくる場合は、収納の扉、襖戸自体が部屋のインテリアになります。応接として使う場合も座布団を仕舞うこともあるでしょうから、この場合にも収納は欲しいところです。(お客様の多いこのお宅は仏間兼応接として使用。引き戸を開け放てばリビングとつながるため、親戚などが大勢集まっても使いやすい)
そもそも和室を来客用の寝室として使わないのであれば、ゲストルームもしくはフリースペースとしての洋室にするという選択肢もあります。というのも、和室には少しデメリットがあるからです。
・畳だと重い家具を置くと跡が付く
・水をこぼしたりしたときのお手入れがフローリングより大変
・洋室よりコストがかかる などです
和室を予備の部屋、何かのためにとつくった結果、失敗したという話をまとめてみました。このように、和室に関しての失敗談を聞くと、和室をどのように使うのかしっかり考えてつくる必要がありそうですね。
よくある1階にLDKと和室、水廻り、2階に子供室と主寝室という間取り。これが決して悪いわけではありませんが、例えば1階の和室を主寝室にしてみるとか、2階の寝室を和室にしてみるなど、一般的ではなく自分たちのスタイルで考えると、違う視点で和室をつくれるのではないかと思います。和室の利用頻度が少ないことで勿体ない、失敗したと感じる人は本来和室が欲しくて和室のある家に住みたくて和室をつくっている方が多いでしょうから、和室の使用頻度が増えるように考えてみると良いかもしれません。
寝室を和室(畳)にした事例をまとめてみました。
その他の畳の活用法をまとめてみました
いかがでしたか?日本の風情があり、ゆったりとした空間を演出できる和室。ですが、自分の生活スタイルに合わないとせっかくの和室も無駄になってしまいます。じっくりと和室の用途を考えて素敵な和室をつくってください。