2024.02.13
「住宅性能評価」という言葉、そこまで浸透していないのが現状ですが、それは「義務ではない」ことが、要因かと思われます。住宅ローンの金利や保険料の優遇を受けられたり、住宅の耐震性や省エネ性を、わかりやすく伝えるための制度なので、ぜひ取得してほしい「住宅性能評価書」について、簡単に説明していきます。
2000年、住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)が施行され、「住宅性能表示制度」が創設されました。
住宅の性能(耐震性、耐久性、省エネ性、メンテナンスのしやすさなど)を、法律に基づき客観的に評価した制度です。
登録住宅性能評価機関が「等級」で評価する制 度で、「住宅性能表示制度」における評価のことを指す言葉として使われます。
この評価を受けると、評価結果を記載した住宅性能評価書が発行され、「良質な住宅用家屋」であることの証明になります。住宅性能評価には、設計段階で図面をもとに評価する設計性能評価、実際に建った住宅を検査して評価する建設性能評価の2種類があります。
住宅性能評価で評価されるのは、以下の10項目です。
この中で。①~④は必須項目で、⑤~⑩は選択項目です。どの項目も、数字が大きいほど評価が高いことになります。
必須項目の詳細を、見ていきます。
地震が多い国、日本。耐震性など建物の強度を評価する「構造の安定に関すること」は、特に重要な項目であると言えます。
耐震等級3は、住宅性能表示制度で定められた耐震性の中でも最も高いレベルです。災害時の救護活動・災害復興の拠点となる消防署・警察署の多くが耐震等級3で建設されています。2016年の熊本地震では、震度7の揺れが3日間で2回起こりました。等級3の住宅は2度の震度7に耐えて倒壊数はゼロと、専門家の調査によって明らかになっています。
柱や土台などの構造躯体の劣化のしにくさを示しますもので、錆や腐敗などによる劣化対策が、どの程度施されているかを評価するのが「劣化の軽減に関すること」です。
定期的なメンテナンスを必要とする給水管やガス管などの点検・清掃・補修のしやすさを評価するのが「維持管理・更新に配慮に関すること」です。
構造躯体も仕上材も傷めないで点検、清掃を行えたり、他の住戸に入らずに専用配管の維持管理を行うための対策が講じられていると等級3となります。
冷房や暖房を利用する際に、効率よく住宅の内部を快適にできるかどうかの「外皮(外壁、窓など)の断熱等性能」と、設備(暖冷房、換気、給湯、照明)の性能や創エネルギー(太陽光発電設備など)を総合的に評価した 「一次エネルギー消費量」の2つを評価します。
等級が高いほど、少ないエネルギーで室内を快適に保つことができます。
住宅性能評価書があれば、その住宅の耐震性や省エネ性がひと目でわかります。そのため、住宅の良し悪しの客観的な判断材料になります。性能が証明されていることは、資産価値が高まることにもつながるので、売却時にも有利に働くでしょう。
経済的なメリットで言うと、性能評価書を取得した住宅は、耐震等級に応じて地震保険料の割引を受けられます。建設性能評価を受けると、金融機関によっては住宅ローンの金利を優遇してくれることもありますし、また、住宅ローン控除や、補助金など優遇制度を利用する時も、性能評価が役に立ちます。
また、請負契約や売買契約に関するトラブルが起きた場合は、指定住宅紛争処理機関(各地の弁護士会)にその処理を依頼することができます。裁判と比べて迅速に問題解決が可能だったり、費用も安い(手数料1万円/件)という利点があります。
ここまで説明してきた「住宅性能評価」ですが、義務ではないためどの住宅会社も取得しているかというと、答えはNOです。住宅の良し悪しを分かりやすく客観的に見れるいわば住宅の通信簿のような役割なのに、です。
「住宅性能評価」そのものに意味があるかどうかというより、「住宅性能評価」は取得して「当たり前」と考えてほしいと思います。もちろん、申請の期間でしたり費用なども関わってくるので、取得していないことが絶対的に悪いわけではありませんが、その住宅のスペックが客観的に評価され、住宅ローンや地震保険の優遇が受けられる直接的なメリットに加え、資産価値向上など長期的な利点も生まれます。
これから新築住宅を建てる、購入する方は、ぜひ性能評価の利用を検討してはいかがでしょうか。
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