2022.12.06
これから寒い季節になりますが、冬場特有の窓に発生する結露の問題、どうにかしたいと悩んでいる方も多いのではないでしょうか。朝から窓ガラスがびっしょりに濡れているのを見ると、何となく気分が落ちますよね。今回は、結露が発生する仕組みや結露が与える影響を詳しくご紹介します。
結露とは、空気中に含まれている水蒸気が冷やされて、水に変化することを言います。ですが、そもそも空気中にどれくらいの水蒸気があるのか、知っている方は少ないかもしれません。この空気中の水蒸気の量は湿度(%)で表し、空気の温度が高ければ高いほど空気中に含むことのできる水蒸気の量は増えていきます。
これを冬場の室内の部屋を想定して計算すると、25℃の部屋だと345g/㎥空気中に水分が含まれることが出来るのに対し、5℃の部屋では102g/㎥しか空気中に含むことが出来ないことが分かります。ということは、345-102=243g/㎥の水分が空気中ではない状態で存在していることになります。これが、結露です。243gはコップ1杯分に近い量ですから、結構な量だということが分かります。
実際、冬場で室内の湿度を60%に保つのは難しいように思いますが、お風呂場からの湯気やお風呂上がりの人間からの熱気の影響を受けやすい脱衣室や家族全員で寝ることがある小さなお子様のいるご家庭の寝室などでは冬場でも現実的な湿度なのです。
結露はその空間で一番温度の低い、外気の影響を受けやすい場所に集まります。それが窓周りや玄関ドア、人があまり使用していない部屋です。また、人がいつも集まり暖房の効いた暖かいリビングの隣が室温の低い廊下やトイレだとすると、その間の壁(壁内)にも結露は起こりやすくなります。
人間に吐く息には水蒸気が含まれています。吐く息は体温に近いため、たくさんの水蒸気を含んでいます。ところが、体から出て冬の冷たい空気にふれると水蒸気として空気中にいられなくなり(空気が冷たいと少ししか水蒸気を含むことが出来ないため)細かな水滴となり、これも結露になってしまいます。また、皮膚の表面からも水分が蒸発しており、季節や体重によっても違いはありますが1日のうちにおよそ1,000gもの水蒸気が体内から発生していると言われています。
例えば、最低でも1時間当たり30gの水蒸気を発生していると仮定し、睡眠時間を7時間で考えると、一晩で210g(約コップ1杯分)の水蒸気が発生していることになります。室温12℃で6畳の寝室の場合は約267g水蒸気を含むことが出来ますが、呼吸や汗だけで、210gもの水蒸気が発生するということは、元々空気中に含む水蒸気を考えると、簡単に飽和水蒸気量をオーバーしてしまうことが分かります。このオーバーした水蒸気がみなさんの良く知る窓なのに付く結露(表面結露)です。
冬は乾燥対策にと、加湿器などをつけたりする方も多いと思いますが、その分の水蒸気もさらにプラスされることになり寝室内の湿度は、どんどん上昇し結露だらけとなってしまいます。特に、お子様がいるご家庭はひとつの寝室に数人で寝るご家庭も多いと思いますので、さらに水蒸気量が増え、結露が起こりやすくなってしまいます。
ここまで、結露の仕組みと寝室で結露が多い訳を説明してきましたが、この目に見える表面面結露より厄介な“内部結露”については次回お話します。
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