高断熱と聞くと、ほとんどの方が「暖かい!」「断熱材をいっぱい使ってる!」など、ある程度イメージ出来ると思いますが、高気密という言葉を聞いても「なんか、苦しそう。。。」「気密っていまいちわからない」と言う方が多数だと思います。しかも、高気密が体を元気にしてくれるなんて、全く想像すらでき得ないでしょう。ですが、気密をよく知ることで、気密に対する考え方が、きっと変わります!
まず、住宅に対する気密の定義は、家にどの程度の隙間があるかを数値化したもので、C値:隙間相当面積(c㎡/㎡)で表します。数値が小さいほど気密性が良い「高気密」となります。気密性の高い家は室内と室外の空気が分断され、室内の空気が外に漏れにくく、室外の空気が室内に入り込みにくくなります。
ここで勘違いされることが、室内と室外の空気の入れ替えがないから、息苦しい!そのうち酸欠してしまう!!です。もちろん、室内に空気が入らない(人が出入りするときにのみ、空気が流入する?)と考えれば、酸欠と想像しても仕方がないのかもしれません。ですか、気密性能が高いと風通しが悪くなるというのは大きな勘違い。ここで重要なのが「高気密」とセットで考えるべき「24時間換気」です。
「24時間換気」には3種類あります。
〇第一種換気:給気、排気ともに機械を使い強制的に空気の入れ替えを行います。一般的な全熱交換タイプは、温度と一緒に湿度も交換するため、温度が上昇・下降しにくく、梅雨時は除湿効果が望め、冬場は室内の乾燥がやわらぐことが特徴です。
デメリットは、他の換気方式より複雑になるため、コスト高になってしまうことです。
〇第二種換気:機械を使って強制的に給気し、排気口はただの開口になっています。屋内の方が気圧が高いので、屋外の花粉やホコリなどが侵入しにくくなります。
デメリットは、室内の湿気が壁内に侵入しやすくなるので、壁内結露が発生しやすくなるため、高い気密施工の精度が要求されます。(C値1.0cm2/m2以下)建物の気密性が高くないと、給気口から入った空気が排気口以外の場所から抜けてしまい、計画通りの換気ができないだけでなく、屋内が正圧にならず、花粉やホコリの侵入を防ぐというメリットが得られなくなります。
〇第三種換気:給気口はフィルターが付いたただの開口で、排気を機械で強制的に行う方式です。屋外より屋内の方が気圧が低い負圧状態になります。システムの価格が他の換気方式よりも安くファンを使うのは排気側だけなので、第一種換気よりランニングコストも掛かりません。
デメリットは、屋内側が負圧になるので、花粉やホコリが入りやすくなります。第二種換気と同様に、高い気密施工の精度が要求されます(C値1.0cm2/m2以下)。気密性が悪いと、給気口以外のところから、外の空気が流入し、計画通りの空気の流れができず、ほとんど換気されない場所ができてしまいます。また、フィルターの付いていない給気口以外から空気が入ってくると、屋外の花粉やホコリもどんどん室内に流れ込んできます。
ここまでの説明で、換気システムの価格比較でいうと断然、第三種換気システムが割り安といえます。ですが、ランニングコストも踏まえて考えると電気代が第三種換気で約300~600円/月、第一種換気で約600~800円/月、そこに冷暖房費の負担も考えると、第一種換気+全熱交換が最も有利と言えます。
外気には花粉やPM2.5など、有害物質が多く含まれています。換気システムは外気にフィルターを通してから室内に取り込むので、綺麗な空気環境を作ることができます。また気密をよくすることで、湿気や有害物質などを壁内に侵入することを防ぐことが出来るので、壁内結露や汚れを防ぐことが出来、この壁内結露や汚れを防ぐということは、家そのものを守ることはもちろんのこと、そこから発生するカビなどでそこに住む人への悪影響も抑制することが出来るのです。
上記のグラフを見ていただくと、「あるのが当たり前の空気」当たり前すぎて見過ごされがちな「空気の質」を意識することが、健康に少なからず結びつくことが分かると思います。
また、室内の空気は残念な事に外気よりも汚れているといわれています。例えば、人間は「呼吸」によって、酸素を吸って二酸化炭素を吐き出します。また、キッチンで料理をするとき、水蒸気やにおい成分、PM2.5などの主成分となる燃えカスなどが大量に発生します。もしこういった空気の汚れがすべて室内に溜まってしまうとしたら、わずか数時間で空気の質は非常に悪くなってしまいます。キッチンやトイレ、お風呂などに必ず換気扇がついているのは特に汚染物質の発生が多い場所だからというわけなのです。このように「換気」は良質な住生活にとって、欠くことのできない大切な住宅性能で、そこには「気密」も密接な関係があるのです。
高気密住宅は、家が長持ちし住まう人が長期に渡り健康でいられる健康寿命を延ばすこと、そしてもちろん省エネであることが長所です。健康というキーワードは住宅で手に入ります。
これから、夢のマイホームを取得するのであれば、まず高気密にこだわり、体も家も健康を目指してみてください!
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